輪行とは?輪行できると何がいいの?

折りたたみ自転車のブロンプトンの購入を検討していると、必ずと言っていいほど出てくる言葉が「輪行」だ。

輪行とは、公共交通機関に自転車を載せて移動すること。

たとえばいつも使っている電車や新幹線、路線バス、旅慣れた人だとフェリーや飛行機も駆使して輪行をしている。

どうやって輪行をするのかイメージがわかないと思うけれど、電車なら人間と同じ改札を通って手荷物として一緒に車内に入るだけだ。スーツケースを持ち込むようなイメージかな。

SNSやブログで出てくる輪行という言葉はたいてい電車のことを指している。ほかの交通機関だと「バス輪行」や「飛行機輪行」のように区別して表現していることが多い。

輪行の活用アイデア

そんな輪行、どう活用するのか。

輪行の良さは、体力と時間を大幅に節約して、どこへでも自転車を連れ回せることだ。

旅の道連れに

たとえば大阪から東京まで移動したいとき、自転車で走って行くにはそれ相応の体力と時間が必要になる。

だけど輪行ならお金さえ払えばたった数時間で東京に着く。たとえどれだけ運動不足でもね。

金曜日の夜に自宅を出発すれば、週末の2日間しか休みがなくとも現地を回る時間を確保できるよ。

僕は旅なんてしないし観光にも興味がないから、こんなスケジュールで出かけることはないし、多くを語れないんだけど。

近場でワンコイン輪行

さっきは大阪↔東京でたとえたけれど、そんな遠くまで行かなくたっていいんだよ。僕も行ったことがない。

もっと近場、そうだな。運賃がワンコインの範囲で輪行したっていい。

隣町の駅まで輪行して、歩きでは遠い本屋さんに行くとかどう?良さげな文庫本を買ったらコーヒーとサンドイッチをテイクアウトして、名前も知らない公園のベンチに腰を下ろしてゆったりくつろぐんだ。

近所でも知らない場所ってたくさんあるんだよね。

舗装路を速く走ることに特化したロードバイクなら、10kmのような短い距離で輪行するより漕いで走ったほうが手間がかからないかもしれない。

けど輪行が得意な折りたたみ自転車ブロンプトンなら、たったそれだけ距離で輪行するのも悪くないと思える。

僕は自転車で速く遠くに移動する為にトレーニングなんてしない。だから体力的に自宅から近い場所しか走れないんだけど、飽きるんだよね。同じ道ばかりで。

だけどワンコイン分でも輪行すれば自宅周りの走り飽きた区間を輪行でブワッとワープして、知らない駅の未知の道だけペダルを漕ぐなんて活用もできる。

ワンコイン分の輪行は「旅」と呼ぶには大げさだ。けれど日常を半歩飛び出したような体験は心地よい。

そんなサイクリングを僕は「ワンコイン輪行」と呼んでいる。

緊急避難としての輪行

輪行の活用方法は他にもある。

たとえばサイクリング先で雨が降ってきてしばらく止みそうにない。こんなとき近くの駅まで走り抜ければ、あとは自宅の最寄り駅まで電車で移動できる。屋根も壁もあるから快適さ。

雨じゃなくても、怪我や病気だってあり得る。

パンク等の故障で走れないならば、タクシーで駅まで送ってもらい、そこから輪行で帰るということもできる。

日中はサイクリングをして、日が暮れたら駅近くの居酒屋で一杯引っ掛け徒歩と輪行で帰る。なんてこともできそうだ。

このように輪行を緊急避難に活用することができる。輪行する予定がないサイクリングでも、輪行できる準備をしておくといざというときの保険になる。

線路が続く限り、空が繋がっている限り、海が広がる限り、どこへでも自転車を連れ出せる。

それが輪行だ。

輪行の嫌いなところ

だけど輪行は万能ではない。

たとえば、電車輪行の場合。

  • 電車の発車時刻が決まっている(田舎の駅だと1時間待ちになる)
  • 輪行袋に自転車を詰めるのが手間
  • 大きな自転車を持って構内を歩くのが大変
  • トイレに行きにくい
  • 満員だと物理的に乗れない
  • 電車の揺れで自転車が倒れやすい

長年自転車を趣味にしていても、輪行に苦手意識がある人は多いと思う。僕もブロンプトン以外の自転車で輪行をしろと言われたら「嫌だ」と答える。

ただ多少の対策はできる。

たとえば自転車を走らせて電車の本数が多い駅から輪行をしてみるとか、通勤ラッシュの時間を避けてみるとか。

輪行準備が手間なら、それこそ折りたたみ自転車ブロンプトンの出番。輪行の準備なら得意中の得意だもの。僕はそのためにブロンプトンを選んだようなものだから。

それにさ、そういう不便な面を工夫してみるのも、たまには悪くないんだ。

雪がちらつく中、誰もいない田舎の駅のホームで1時間待った事があるけど、文庫本を読んだりボーッしてたらあっという間に電車が来たよ。そういう静けさというか、あの空気感が好きなんだよね。

車に積んで行けばよくない?

たしかに自転車を車に載せるのもいいよね。

線路が通ってない区間なんてアチコチにあるし、路線バスを乗り継いで山奥まで行くなんてめんどうだ。

公共交通機関のアクセスが悪い場所に行くなら車は強い味方になってくれる。電車と違って発車時刻なんて自由だし。

ブロンプトンなら助手席に座らせとけばいいから、積み込みもラクラクさ。

ただ車は車なりの手間がある。

たとえば必ず車を停めた駐車場に戻らないといけないこと。電車輪行はどの駅からでも帰れるからね。

それに二泊三日で長い距離をツーリングした後、ヘロヘロの状態で運転するのはなかなか大変だと思う。新幹線なら座って寝ておけば家の近くまで帰れる。

どっちが良いとか悪いとかではなくて、どちらも使いこなせたらいいよね。

折りたたみ自転車は輪行と相性がいい

さて、折りたたみ自転車は輪行と相性が良い。

輪行するには自転車を分解して各交通機関の規定サイズに収まるようにちいさくまとめる必要がある。

スポーツ自転車は工具を使わずにある程度まで分解できるようになっていることが多い。かなり慣れた人だと5分程度でパパっと分解してしまうけれど、やっぱり手間がかかる。

それに分解してもなお巨大だから電車内で取り回しが悪い。改札や階段を通るとき、トイレに行くときなどなにかと邪魔になる。

たまに大きな楽器を持って電車に乗る人を見かけるよね。チェロかな?自転車の分解方法にもよるけれど、あの楽器より持ち運びにくいと思う。

僕がマウンテンバイクで輪行したとき、急いで分解しても10分はかかった。最寄り駅は電車の数が少なくて、乗り遅れると次の電車まで1時間とかザラだから、念の為に発車20分前に駅に着くようにしていた。

輪行の何が嫌かって、自転車を持っているとトイレに行きにくいこと。電車の揺れで倒れることがあるから、自転車のそばを離れにくいんだ。

手すりにストラップで固定して安定させるのが常套手段なんだけど、僕は小心者だからそれでも不安なんだよね。乗客に怪我でもさせたら…。その不安が余計に腹痛を加速させたりさ。

その準備やら腹痛の不安やらがめんどうで輪行から遠のいてしまっていた。

その点、折りたたみ自転車は工具を使わずに、かんたんにちいさく折りたたむことができるのが魅力だ。特にブロンプトンは折りたたみ性能が優れているから輪行前の準備がラクラクで、3分前に駅に着いても電車に間に合うほど。

邪魔にならないとはまでは言わないけれど、スーツケースぐらいにはちいさくなるしね。最悪、自転車を膝の上に乗せながらトイレを済ますことができる(と思う)。そう考えると安心して腹痛が収まったりさ。

おかげでマウンテンバイクに乗っていたときより輪行の頻度は増えた。

ブロンプトンは輪行しやすいのか

輪行しやすい自転車の特徴を挙げるなら、かんたんにちいさくできて、軽くて持ち運びやすい。こんなところだろうか。

折りたたみ自転車のブロンプトンに関して言えば、かんたんにちいさくできるという点においては一級品だろう。

ただベーシックなモデルだと10kg以上の重さがあるから、持ち運びで苦労する人もいると思う。大きなロードバイクよりちいさなブロンプトンのほうが重いことさえある。

輪行するには輪行袋と呼ばれる袋に収納する必要がある。トートバッグのような形だったり、袋を被せるだけだったりさまざまだ。

ブロンプトン用の輪行袋には底にコロコロが付いていて押して移動できる製品がある。他にも肩ひもがしっかりしているもの、軽量コンパクトで携帯性を優先したものなど各製品工夫されている。

階段を避けてエレベーターを使ったり、担ぎやすい輪行袋を選ぶことで、多少の重さはカバーできる。

僕自身はブロンプトンの重さがそれほど気になったことはない。田舎のちいさな駅を使うことが多く移動距離が短いのと、自転車を担ぎ慣れているからだ。

ブロンプトンに乗る前は15kgのマウンテンバイクを山頂まで担ぎあげる山岳サイクリングやパスハンティングと呼ばれる遊びをしていた。ほぼ登山だ。そのおかげか自転車を担ぐことに抵抗が少ない。

僕は30代の成人男性だけど、けっして力持ちなわけではない。むしろ非力な方だと思う。特に腕力や握力が弱い。腕立て伏せは10回でやめたくなる。

ブロンプトンのレビュー記事を読むと「重い」と言われることが多い。実際、ロードバイクと比べると重い。だけど

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