ブロンプトンのフロントバッグは種類が豊富で悩ましい。だけどママチャリ用途として使うなら、ひとつのアンサーとなるであろう前カゴを見つけた。
それが農家御用達の収穫コンテナだ。
ブロンプトン用のフロントバッグは容量が足りない

僕は暮らしの脚としてブロンプトンを使っている。
行きつけのスーパーまで距離があるから、トイレットペーパーとティッシュと洗剤とお肉と野菜とお菓子と…このように一度にまとめて買い物することが多い。時には木材や観葉植物のような変わり種も運ぶ。
ママチャリというより軽トラのような扱いをしている。
すると、ブロンプトン用に販売されているフロントバッグじゃ到底容量が足りない。ブロンプトン純正のバスケットバッグを使っていたことがあるけど、僕の生活には合わなかったからすぐに売り払ってしまった。
もっと大容量で、ダイナミックな積載方法が必要だ。
農家御用達の収穫コンテナ

お金で解決するのはつまらないから好きじゃない。家にあるものと持ち前のアイデアでなんとかしたい。
そこで目をつけたのが収穫コンテナだ。
収穫コンテナとは田んぼの脇に転がっている農家御用達のアノ箱だ。ホームセンターのコーナンで700円程度で売っていて、容量は45L以上ある。
【仕様】
●有効内寸:約477X320X288mm
●内容量:46.6L
●材質:ポリプロピレン
コーナン以外のホームセンターでも似たようなコンテナはいくらでもあるはずだ。ディテールは違うかもしれないけど、イエロー、オリーブグリーン、ブラック、ブルーを見たことがある。
これをフロントバッグの代わりに使うことができれば、積載容量不足が一挙に解決する。
なぜ家に収穫コンテナが転がっていたかというと、以前から部屋の整理整頓のために何個も使っていたからだ。積み上げて板を置いてスタンディングデスクにしたり、季節外れの洋服を収納したりなにかと使えるのさ。
ちょうど部屋の片付けをして空きコンテナが出て邪魔だったんだよね。それでひらめいた。キャリアフレームと連結するだけで超大容量のフロントバスケットになるぞって。
ブロンプトン純正のバスケットバッグを売るとき、キャリアフレームだけは手元に置いておいてよかった。
活用事例集









気に入っているところ
- とにかく大容量でなんでも放り込める
- コンテナ外に荷物やポーチをくくりつけることができる
- 空気抵抗が少ないためスピードを出しやすく、駐輪中に倒れにくい
- フェンスに立てかけたときに安定する
- ブロンプトンが倒れてもコンテナから着地して車体のクッションに
- レジでマイカゴ代わりに
- ピクニックで椅子代わりに
- 野暮だけど粋なスタイル
大容量にまかせてなんでも放り込む

「こんなに買って持って帰れるかな」と心配になることはなくなる。
バッグのすき間にパズルのようにキッチリ詰め込む、あの腹立たしい作業は必要なくなる。
リアキャリアにダンボールをくくりつける手間はなくなる。
なぜかって収穫コンテナの圧倒的な容量に任せて、なんでも放り込むだけだから。
これがなんとも豪快で、痛快だ。
ブロンプトンを暮らしの脚として使うのなら、たくさん、そしてかんたんに積載できるという要素は大事になる。
拡張性が高く、収まらない荷物も運べる

とはいえ収穫コンテナにも収まらない荷物があった。たとえば以前乗っていたマウンテンバイクのタイヤとか。
いらないタイヤをいい加減処分しなきゃと思い立ち、リサイクルショップへ出そうと決めた。大容量だからと油断していたのだけど、出発直前で収穫コンテナに収まらないことが判明した。
だけど収穫コンテナは器が大きいんだ。
そのメッシュ構造と結束バンドを利用すれば、たいていのモノはくくりつけることができる。
タイヤ、すだれ、貴重品をまとめたちいさなポーチ…なんでもござれ。
空気抵抗が少なく走りやすい
ロードバイクの選手がピタピタのウェアを着て体をグッと丸めて乗るのは空気抵抗を減らすためだ。スピードを出すうえで、それほど空気抵抗の影響は大きい。
船の帆をイメージすると空気抵抗の影響がわかりやすいかもしれない。
ブロンプトン用のフロントバッグはどれも便利だけど、正面からモロに空気抵抗を受けてしまうというデメリットがある。たとえ中身が空であったとしてもね。
ところがメッシュ構造の収穫コンテナであれば、空気が通り抜けてくれるから抵抗が少ない。
もちろん中身がたくさん詰まっていればそれなりの空気抵抗は生まれるだろうけれど、少なくとも家からスーパーへ向かう片道分は空っぽだよね。
容量25L程度のフロントバッグを使っていたこともるけれど、やっぱり収穫コンテナのほうがスーッと走れる気がしている。
駐輪時も風で倒れにくい。
厳密な比較をしていないから、「気がする」だけだけど。
マイカゴ代わりに

この大容量で丈夫な前カゴ、まだまだ可能性を秘めている気がしてならない。なにか「これだ!」というアイデアはないものか…。
ある日、精算後にスーパーのカゴからレジ袋へ詰め替えている時にひらめいた。
「レジで収穫コンテナに詰めてもらえばいいんだ」と。
つまりマイカゴ、マイバスケットの代わりに収穫コンテナを使うという案だ。
スーパーによっては受け付けてくれないかもしれないけど、店員さんに一声かけてみる価値はある。なんなら収穫コンテナではなく、スーパーのカゴをブロンプトンに取り付けしまう案もある。
海外のYoutubeを見ると、ブロンプトンを折りたたんでスーパー内に持ち込んでカートのように使っていることがある。盗難防止になるしいいアイデアだよね。
日本でやるにはハードルが高そうだけど、それを部分的に再現できるかもしれない。
先日、セルフレジのスーパーで試す機会があった。
スーパーに着いたらワンタッチで収穫コンテナを取り外しカートの下段に載せ、精算時に収穫コンテナに詰めていく。帰りはブロンプトンにガシャンとはめ込むだけ。
一連の流れとしてはとてもスマートだった。今後もテストしていきたい。
チェアリングの椅子に


屋外で椅子に座って思い思いに過ごすチェアリングにも収穫コンテナは活用できる。
収穫コンテナをひっくり返して地面に置くだけで、あっという間に椅子の完成!
背もたれはないけれど座面は広くて悪くない座り心地だ。テーブルにしてもいい。下手な折りたたみ椅子を買うより座り心地も価格も優秀だ。
大きくて頑丈な前カゴ、そしてワンタッチで着脱できるブロンプトンの特徴を存分に活かせている。
キャリアフレームは持ち手がないタイプの方がいい。持ち手部分だけはみ出してしまい、椅子にすると安定感が悪くなるからだ。
気にいらないところ
- 輪行は苦手
- 保管が邪魔
- 片手で持てない
- 雨が苦手
輪行は苦手
収穫コンテナは大きいし折りたたみもできないから輪行が苦手だ。
輪行をグッと楽にする面白いアイデアが浮かんだけど失敗に終わってしまったし、収穫コンテナは輪行しない前提で使うのが常になっている。
ちなみにそのアイデアというのは、底にコロコロを付けた収穫コンテナに折りたたんだブロンプトンを収めるというもの。
駅構内で重い輪行袋を担ぐ必要がなくなると思ったんだけど、そもそも収穫コンテナにブロンプトンが収まらなかった。
残念。
部屋で邪魔になる

大きくてかさばるから、部屋で保管するときは邪魔になる。だから輪行袋やバッグなど、自転車用品の収納箱を兼ねて有効活用している。
通常、収穫コンテナ同士はきれいに積み重ねることができる。けれどキャリアフレームを取り付けているから少し収まりが悪くなる。
ブロンプトンは折りたたんで机の下で保管しているから、収穫コンテナを取り付けたまま収納ができない。
高さがある保管場所なら折りたたみ状態でもコンテナを取り付けたままにできる。僕は一時期そうしていた。犬のハーネスを洗ったあと物干しとして活用していた。
片手で持てない

中身が空だと片手で持てるんだけど、日用品を買い込んだ後だと両手じゃないと持てない。短時間でも片手で持てると助かることがある。
お好みの紐やロープをくくりつけると、簡易的な持ち手になる。スーパー内ではカートに乗せると楽だ。
メッシュ構造はこういった改造もしやすい。
防水性が皆無
蓋はないし側面はメッシュだから、雨が苦手だ。
底の穴から排水できるのはせめてもの救い。でなきゃ、バケツのように水が溜まるところだ。
濡れたあとのメンテナンスは楽だ。
収穫コンテナ自体は水を吸わないからサッと拭くだけでいい。
中身はビニール袋に包んでしまえばいい。
登山でもリュックは濡れる前提で、中身だけビニール袋で防水するというのはよくある手段だ。
実用的過ぎて他のバッグが使えない
ホントは他に使いたいバッグがあるんだよね。
バッグというかカゴなんだけど、大きな市場カゴを使いたい。
だけど価格、容量、耐久性、キャリアフレームとの連結しやすさなど考えると、収穫コンテナ以外使う気にならないんだ。
収穫コンテナは実用的過ぎる上に、農家御用達の収穫コンテナをブロンプトンに使うという「遊び」もあるから、他のバッグに買い換える隙がないんだよね。
ファッションではなく実用重視というかっこよさもあるし、工夫して使うのが楽しい。
アメリカモノがお好みならミルククレート

収穫コンテナに興味がわいたけどさすがに嫌だという場合、アメリカモノはどうだろう?
ミルククレートならかわいいよ。
あるいはステンレスのワイヤーバスケットでもいい。
ただ価格と容量を考えると、やはり収穫コンテナが魅力的だ。
取り付け方

キャリアフレームと収穫コンテナを連結するためにちょっとしたDIYが必要になる。自作や改造に慣れていないと不安になると思うけれど、とてもかんたんだから安心してほしい。
必要なものは3つ。
- 収穫コンテナ
- キャリアフレーム
- 結束バンド
取り付け方は収穫コンテナのアミアミに結束バンドを通して、キャリアフレームと連結するだけだ。上部、下部など複数箇所で固定してみよう。
たったこれだけで完成だ。
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