ブロンプトンを買うか悩んでいるなら

「ブロンプトンが気になるけれど、そもそも自転車に興味を持ったばかりで右も左もわからない」という人におすすめの本を3冊まとめた。
ブロンプトンについて詳しく書いてあるというよりは、
折りたたみ自転車があるとなにができて、生活にどういう変化が起きるのか
ということが書いてあるものを選んだ。
おりたたみ自転車はじめました

著者の星井さえこさんとブロンプトンの日常を描いた本だから、「おりたたみ自転車はじめました」で描かれていることは「ブロンプトンでできること」と捉えることができる。
ブロンプトンとの出会いからちょっとしたサイクリング、さらには服装やバッグの中身まで紹介してくれているから入門書として参考になる。
同僚の何気ない一言から万年筆のインクを買いに行ったり、がんばって早起きして輪行してみたりするなど、「ブロンプトンのある暮らし」がイメージがしやすい。
なんといってもオールカラーの漫画だから気軽に読めるのがいいんだ。絵柄がかわいくて読み手の緊張感をほぐしてくれる。かといって大味な絵ではなくて、その町の空気感が伝わるほどとても細かく描写されていたり。特に164p.165pの風景が好き。
続編の「おりたたみ自転車と旅しています」も素敵なんだけど、入門編としては「おりたたみ自転車はじめました」がおすすめ。
関連記事>>>輪行とは?輪行できると何がいいの?
ものぐさ自転車の快楽 折りたたみ自転車で始める新しき日々

折りたたみ自転車ならではの活用方法がよくまとめられていて、大きなスポーツ自転車と比べて折りたたみ自転車のなにがいいのか、どんなことができるのかがわかる。
推奨車種としてブロンプトンも登場する。
自転車本にありがちなレースやツーリングシーンではなく、日々の通勤のような身近な活用方法にも光を当てているのがいいところ。
「トレーニング!パンク修理!自転車乗るならそれぐらいできるようにならないと」という内容ではなく、「疲れたりパンクしたら電車で帰ろう」というゆるさがいい。
僕には読みにくい文体で苦手なんだけど、小難しい専門用語が省かれているから、趣味性の強い自転車本より読みやすいと思う。
ブロンプトン図鑑

上の2冊が「おりたたみ自転車」についてなら、ブロンプトン図鑑はまさに「ブロンプトンの本」だ。
図鑑の名の通り、あらゆるブロンプトンと乗り手が収録されている。
カスタムに力を入れる人もいれば、通勤で使う人もいる。レースに出るためにトレーニングしている人もいれば、趣味の写真のお供にしている人もいる。
カスタムされたブロンプトンを見るだけならInstagramで事足りそうだけど、乗り手の表情や生活、こだわりが描かれていることに価値がある一冊だと思う。
入門書と呼ぶにはマニアックなんだけど、自転車保険やヘルメット、定番のカスタム、ブロンプトンを取り扱っているショップなど、これからブロンプトンに乗るために知りたい情報も書かれている。
ブロンプトンが自分の生活に合うかわからなくて悩んでいるなら、なにかヒントが見つかるかもしれない。
ブロンプトンを手に入れたら
念願のブロンプトンを手に入れたら。
BROMPTONメンテナンスブック

ブロンプトンユーザーが手元に一冊置いておくと安心なのが「BROMPTONメンテナンスブック 改訂版」だ。
空気の入れ方からホイールの外し方まで、基本的なメンテナンスがまとめられている。
型落ちのブロンプトンには合わない、もしくは最新モデルのことが触れられていないなどの不足はあると思う。けれどある程度はネットで補うことができるはずだ。
自転車を弄ったことがない初心者だと、パーツの名前がわからなくて検索できなかったり、そもそもどんなメンテナンスが必要なのかイメージするのも難しい。
けれど情報が一冊にまとまっていて、一覧できるとわかりやすい。メンテナンスブックを取っかかりにして、ネットでさらに情報収集することもできる。
好きな自転車の本、雑誌
ブロンプトンに関する本ではないけれど、僕が何度も読み返す自転車の本がある。
東京散歩

フランスの青年が東京を自転車で巡ったスケッチ集。色鉛筆で描かていて、なんだか親近感がわく。
自転車の本ではないし、美術の教養なんて一切ない僕だけど、著者のようなスケッチをしてみたいという憧れからたまに読み返す。
ブロンプトンを走らせて、どこかで腰を下ろしてスケッチをして…なんてのは僕のささやかな夢なのだ。
おすすめでもなんでもなくて、僕も著者と同じようにしたいというだけなんだけど、「自転車×スケッチ」に興味のある人は手にとってみて。
Florent Chavouet Instagram blog
ジャスト・ライド

何日もかけてツーリングしてたり、ものすごい速さで走っていたり、毎日トレーニングに励んでいたり、こんなハードな自転車ライフはSNSでは日常的な光景だよね。
僕はなにかと影響を受けやすいし、比較してしまいがちだ。それで頭でっかちになってしまうことがある。
たとえば「やっぱり空気抵抗とか気にするべきなのかな」とか、「スポーティに走らないといけないのかな」とか、「綿のぶかぶかのTシャツで乗るのは邪道なのかな」とか。
そんなときにパラパラと読み返すことが多いのがジャスト・ライド。何度も読み返しては、新たな気づきがある。
著者は自転車ブランド「RIVENDELL BICYCLE WORKS」のグラント・ピーターセンさん。
RIVENDELL(リヴェンデル)というブランドは一般的な自転車ブランドとはひと味違う。大手のように最新素材やテクノロジーで速さを追求するのではなく、もっと日常的だったり、安全で快適だったり、長持ちだったり、そんな自転車を生み出している。
ジャスト・ライドでも彼の不敵な思惑を感じることができる。
「クローゼットのボタンダウンのシャツを着てみ?」とか「グローブなんていらないよ」てな具合で痛快で爽快なことを言ってくれている。自転車メディアは口が裂けても言わないことだ。
なかでも好きなページが「BEAUSAGE(ビューセージ)」について。たった2ページしか触れられていないけれど心に響いた。
『beauty by usage 使い込んでこその美しさ』
ブロンプトンに興味を持ったのなら、ピコンと心のレーダーが反応したんじゃない?
僕は大好きなんだよね、この本。
ただ翻訳の評判が悪いから、僕が持っている赤い表紙ではなくて、さわやかな表紙の「新版」を買ったほうがよさそうだ。
Grant Petersen blog
RIVENDELL BICYCLE WORKS HP
Bicycle Club 暮らしの自転車

自転車の雑誌、読んだことある?
僕はなかった。
自転車に興味を持ったのが2019年頃だけど、レースも機材もいまだに興味がない。だから自転車雑誌を読むなんて発想がなかった。
それでも「自転車×イケてる暮らし」みたいな雑誌がないかと思って、大きな本屋で自転車雑誌コーナーをのぞいたことはある。けどやっぱり興味のない内容ばかりで、えらくガッカリした。
ファッション雑誌コーナーに行っても、自転車とライフスタイルのことなんて全く書かれてない。
ていねいな暮らしでもシティボーイでもなんでもいいんだけど、そういうのと自転車を掛け合わせた本が読みたいとずっと思ってた。そして諦めてた。
けど出たんだよね。まさかの老舗がリニューアルして。
ブロンプトンらしい服装は「いつもの服」で、ブロンプトンユーザーでありファッションディレクターである金子恵治さんの言葉を借りたんだけど、それはこのBicycle Clubから。
ブロンプトンについて言及している箇所は少ないんだけど、レースやツーリングとは違う、もっと日常的で、チープな表現だけど「イケてる自転車生活」の雰囲気を掴むにはもってこいだ。
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