ブロンプトンでできること
アイデア次第で無限の使い方があるけれど、そのなかでも僕が感じた「ブロンプトンでできること」がある。
これから伝えることはブロンプトンに限った話ではない。ほかの自転車のほうが優れていることさえある。
だけどこれらが高いレベルで共存しているのがブロンプトンの魅力だと思う。
電車にかんたんに乗れる
電車に自転車を積んで移動することを「輪行」と呼ぶ。
日ごろ運動不足でも東京から大阪まであっという間に移動できる。サイクリング中に雨が降ったら自宅の最寄り駅まで帰ってもいい。
ブロンプトンは輪行がとっても得意だ。
輪行をするには自転車を折りたたんで袋に入れる必要があるんだけど、ブロンプトンは折りたたみが抜群に優秀だから一連の準備があっという間に終わる。
僕がマウンテンバイクに乗っていたときは輪行の準備のために駅に20分前には着くようにしていた。ブロンプトンなら3分前に着いても問題ない。日々、ブロンプトンと電車通勤する人がいるのも納得だ。
100km先でも1000km先でも、線路が続く限りブロンプトンとどこまでも行ける。
荷物をたくさん積める
ブロンプトンは荷物の運搬が得意だから、日々の買い物からテントを積んだ旅までカバーできる。
僕は旅をしないから多くを語れないけれど、日々の暮らしで大きなものから細長いものまでたくさん運んできた。ブロンプトンの積載力には信頼を寄せている。
そして、ただたくさん運べるだけじゃない。
たくさんの荷物を積むと自転車はふらふらとしてしまいがちなんだけど、ブロンプトンは荷物を積載したほうがどっしりとした安定感が生まれる不思議な自転車だ。それは安全性へと繋がっている。
またブロンプトン専用バッグは車体に直接取り付けることができるから、夏場にリュックを背負う必要がない。しかもワンタッチで着脱できるから駐輪場に停めたブロンプトンから離れるときに貴重品を肌身離さず持ち歩くことができる。かんたんで、安心だ。
そこそこ速い
タイヤがちいさな自転車には遅くて不安定というイメージがあったけどブロンプトンで覆された。
トレーニングなんて一切していない僕が行きつけのスーパーまで片道10km弱の道のりを難なく走ることができる。昔、小さなタイヤの折りたたみ自転車を買ったことがあるけど、遅くて不安定ですぐに乗るのをやめてしまった。スーパーどころか家の近所ですら乗る気が起きなかった。
僕が乗ってきた自転車と比較してみた。
・ゴツゴツとしたタイヤを履いたマウンテンバイクよりかなり速くて、不安定
・クロスバイクと同等か少し遅くて、ちょびっと不安定
・ちいさなちいさな折りたたみ自転車よりすごく速くて、とても安定
比較する車種やカスタムパーツにもよるから言い切ることはできないけれど、少なくともブロンプトンはそこそこ速くて安定感があると思っている。
安定感については下り坂での片手運転は少し怖く、両手離しはしたくない。そんなイメージだ。
長距離のサイクリングでは少しの差が大きな差となって、また違った感想になるかもしれない。
保管場所を選ばない
ブロンプトンの強みは素早くかんたんに折りたたみ・展開できること。そして折りたたみ姿がちいさくて美しいこと。
僕は4畳半の自室にブロンプトンを折りたたんで保管している。布団を敷いて寝ていて、犬小屋は2つ、作業机もある。けれど、不思議と自転車は邪魔に感じさせない。サイズのコンパクトさもあるけれど、物としての佇まいが暮らしに馴染んでいるのだと思う。
玄関の傘立ての横、会社のデスクの下、カフェのテーブルの下、押し入れの中…ブロンプトンは狭いところでも野良猫のようにスイスイと入り込む。盗難や雨が気になる場所でも、室内に連れて入れば問題ない。
もちろん疲れて帰ってきて折りたたむのは面倒なときもあるし、乗る前の展開もひと手間だ。けれど毎朝靴紐をぎゅっと結んで出かけるように、それはきっと日常になる。
旅先では、駅のコインロッカーに預けて徒歩で身軽に動くこともできる。
アイデア次第で、自転車を持ち運ぶことが生活になる。
ブロンプトンにできないこと
ブロンプトンはロードバイクやマウンテンバイクの代わりにはならない。
舗装路を高速で走るロードバイク、山道を走破するマウンテンバイク、それぞれに特化した性能がある。
たしかに、ブロンプトンにはTライン(軽量モデル)やGライン(悪路対応)がある。乗り手の体力やテクニック次第で意外な走りもできるかもしれない。
けれど餅は餅屋だ。
ブロンプトンにはブロンプトンの得意とするフィールドがあり、ロードにはロードの、マウンテンバイクにはマウンテンバイクの良さがある。
舗装路も悪路も速くて、輪行も荷物の運搬も得意で、押し入れの下にスポっと収まる全知全能の自転車はたぶん存在しない。
だからこそ、自転車の特徴を理解して、それをどう使うかを自分で決めればいい。
僕はブロンプトンで田んぼ脇のでこぼこ道を走っているし、いつか山道にも連れ回すつもりだ。
走る道は自分で決める。
ブロンプトンってどんな自転車だろう?
ブロンプトンよりちいさく折りたためる自転車はある。もっと軽いもの、速いもの、安いものだってある。
それでも僕がブロンプトンに乗っているのはバランスの良さだと思う。
折りたたみ性能はトップクラスで、そこそこ速く走る。日々の暮らしにも旅にも使える。ブランドの歴史やイギリス製という背景も胸をくすぐる。
もし折りたたみ機能がいらないのであればロードバイクやマウンテンバイク、グラベルバイクやランドナーなど選択肢は無限にある。
でも僕は「折りたたみ機能が必要」な暮らしをしている。
だから、ブロンプトンを選んだ。